挙動不審の見本

李下に冠を正さず
(りかにかんむりをたださず)

李の木の下で冠を直すと、
李の実を盗んでいると疑われるから、
そこでは冠がたとえ曲がっていても
直すべきではないということで、
人から疑われるような行為は
してはいけないという戒め。

浪人していたころ
深夜のコンビニでバイトしてました。
忙しい店は、昼間と変わらず忙しいけど、
メインで働いていたところは
銭湯が閉まる時間と
競馬新聞が入荷した直後以外は
かなり暇していました。

そんな暇な店舗で
あろうことか万引きにくる小僧や
時には姉ちゃんがいたりして、
ご本人は、せいぜい怪しまれないように
平静を装っているのですが
それが余計に怪しさを醸し出していて
万引きGメンなど呼ばなくても
私で十分発見できると思いました。
というか、それが私の
天職だたのかも知れません。

だだ、私は若者の将来を考えて、
というのは嘘で、本当は
マニュアル通りの対応がひたすら面倒で、
(飴玉一つでも110番なのですから)
見て見ぬふりをしていました。
ご本人は、まんまとやり遂せたつもりで
夜の街へと逃走していきましたが、
自分で気が付いて反省して
立派な大人に成長したと思いたいです。

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