私は子供のときに自転車に乗ったことのない
唯一の男である。
描くことにしか興味がなかった
– パブロ・ピカソ –
中学校の同級生K君は
「みんなと同じ病」と無縁でした。
「Yがお前の事好きだってさ~」
こんな風にからかわれると
ムキになって否定したり、
別なネタで攻撃したりするのが普通のところ
「それは嬉しいね」
と、サラリと言ってのけましたので
私はすぐに憧れました。
別の日、遅刻ギリギリで
私も小走りに急いでいたらK君が
「僕は急がないんだ」
これにも感動しましたね。
それ以来私も、
2度と急ぐことはなくなりました。
小学校にはそういう子はいませんでした。
むしろ私が、自信満々に見えていたかもしれません。
あやうく凡人になり下がる危機を
K君が救ってくれました。