苦党

河豚食う馬鹿河豚食わぬ馬鹿
(ふぐくうばかふぐくわぬばか)

猛毒を持つ河豚を食べて
命を落とすのは愚かなことだが、
むやみに恐れてまったく食べなくて
河豚の美味を知らないというのも
愚か者だということ。

河豚まではいかなくても
人は苦いものを不味いと感じるように
DNAに刻み込まれているはずで、
それは太古の昔
苦いもので命を落としかけたご先祖が
命がけで残してくれた記憶ですね。

だけど、大人になる過程で
コーヒーやビールを美味しいと感じ、
サンマのワタやカニ味噌を
この上なく贅沢に思うようになります。

『禁煙セラピー』の著者によれば
それは”刷り込まれた錯覚”だそうですが、
どうも、それだけではない気がします。

建設の前には破壊が必要なように、
より健康で逞しくなるために
いちど小さく壊したい要求みたいなものが
私たちにはあるのではないでしょうか?

それとも単純に
”踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら~”
ということなのかな?