能書きの読めぬ所に効き目あり
(のうがきのよめぬところにききめあり)
薬の効能書は、
理解できない難解なことが書いてあったり、
読めないような細字で
ぎっしり書いてあるところが、
かえってその薬に
効き目があるように思わせるように、
物事はすべて見えてしまうと
ありがた味が薄れることのたとえ。
昔、あるところにお婆さんがいて
「大麦小豆二升5銭」とおまじないを唱えて
次々と人の病気を治していましたところ、
旅のお坊さんが
「それは般若経の言葉で
『応無所住而生其心』が正しい」
と教えてくれました。
お婆さんは必死に覚えて
”正しく”唱えるようにしたのですけど、
それ以来、おまじないは
嘘のように効かなくなりましたとさ。
”正しい”にこだわるより
大切なことがあったのでしょう