江戸っ子は五月の鯉の吹き流し
(えどっこはさつきのこいのふきながし)
鯉のぼりは空洞なので、
口から勢いよく入った風が全部吹き抜ける。
この様子を、
口は悪いが腹の中はさっぱりした江戸っ子に
たとえたことば。
また、口先の威勢よさに反して
胆力がないという意味もある。
”威勢がいい”と言えば誉め言葉に響くけど
”中身がない”と言えばお終いですね。
要はハッタリなわけですけど
ハッタリかますにも実は胆力が必要で、
少しでも恐れが頭をよぎってしまおうものなら
それが顔や声の調子に出て
ブラフであるとバレてしまうのです。
そんな危ない橋を渡るくらいなら
初めから実力をつけておけばよさそうですが、
火事と喧嘩は江戸の華なんて言われます。
江戸っ子はそういう、ヒリヒリした状態が
実は大好きなんです。
中学生くらいのときは
そういう街も、その自分がその構成員であることも
恥ずかしく感じた時期がありましたけど、
もうこれはDNAレベルの問題らしく
好きも嫌いもなく、そうなのだから仕方ない。
沖縄に居ても、
私は永遠の江戸っ子みたいです