日本語は不合理か?

湯を沸かして水にする
(ゆをわかしてみずにする)

せっかく湯を沸かしたのに、
その湯を使わずにぐずぐずしているうちに
再び水に戻ってしまうことを指す。
労力や努力が
無駄になることを意味する慣用句。

日本語を学ぶ外国の方が
「水を沸かして湯にするのでは?」
と質問したとか。
なるほど、沸かした結果が湯なのだから
おっしゃる通りかも知れません。
あなたは答えられますか?

あらためて考えてみると
「風呂を沸かす」とか「ご飯を炊く」とか
この場合の”を”が特殊というか、
”風呂”や”ご飯”を使って何かをするのではなく、
あえて言えば風呂やご飯を”目指して”
沸かしたり炊いたりするという
一種の省略形なのかも知れませんね。

このあたりのニュアンスを
合理的な外国の方に説明するのは
ちょっと骨が折れる作業でしょうね。
ましてや、冒頭の諺のように
皮肉が混ざってくるとなおさらです。

日本語教師でなくて、本当に好かったです