錦を衣て郷に還る
(にしきをきてきょうにかえる)
立身出世し、
普通の者では着ることができない
高価な錦の衣服を身にまとって
故郷に帰るという意味で、
成功者として郷里に帰ることのたとえ。
”故郷に錦を飾る”の方が一般的ですね。
そちらの言い方だと、のぼり旗か何かを想像して
いかにも成金の凱旋みたいですが、
錦の衣服だったのですね。
それにしたって、演歌歌手かジェームズブラウンみたいで
ほほえましい光景が思い浮かびます。
むかし働いていた喫茶店に
T君という、年下の先輩がいました。
T君は高卒と同時にそこで働き始めたのですが
昔の同級生で、青学だか上智だかに通ってる奴が
ときどき客として遊びに来て
そいつが帰った後のT君は不機嫌そうでした。
いつか自分の店を持って、いいスーツ着て
いい車に乗ってクラス会に出席するのが
T君の夢でした。
当時はつまらない夢だと馬鹿にしていましたが
いま思うと、T君はいい奴だった気がします