江戸っ子だってね?入谷の生まれよ!

気の利いた化け物は引っ込む時分
(きのきいたばけものはひっこむじぶん)

化け物は歓迎されないが、
それでも心得ている化け物だったら
退け時を知っているものだということで、
ある地位に居座って
引退しそうにない人について言う悪口。
帰ってほしいのに
長居をしている人についても陰で使う。
さらに、会合などにひどく遅れて来た人に向かって
皮肉として言ったりする。

こういう物言いは
落語に出てくる江戸っ子の得意技ですね。
うちの母親もこんな感じでした。

ほんの小さい頃は別として
中学に入学したあたりからの私は
あろうことか、そんな母親を
恥ずかしく感じたりしてました。
友だちの上品な”お母さま”を見かけると
羨ましく思ったりしてました。
なんとも罰当たりな時期ですね。

いろいろ考えたり思ったりして
もう、両親の影響は脱したと思った頃、
セミナー講師みたいな事をする機会がありました。
さんざん準備したものの
当日は参加者の顔もまともに見られず
緊張で気持ち悪くなりながら
なんとか無事に終了しましたところ、
あとで主催者の人に聴いたのですけど
あまりに早口の江戸弁で、
何を言っているのか解らなかったそうで、
母親は私の中に生きていたのでした