亭主の好きな赤絵帽子
(ていしゅのすきなあかえぼうし)
一家の主人が好むものなら、
それが世間の常識から外れていても、
家族はそれに従うべきだということわざ。
烏帽子は通常黒いものが一般的だが、
亭主が赤い烏帽子を好む場合、
家族もそれに同調しなければならないという
状況を表している。
実家の隣にWさんという家があって
当時の台東区入谷では、偏屈ものが多かったけど
とびぬけて偏屈なオヤジが住んでいました。
そのオヤジの印象があまりに強いものだから
W家のほかの構成員である
オヤジの奥さん、長女H、次女F、長男K、
はては長男Kを訪ねてくる友だちまで
すべて偏屈ものに印象が固定してしまって
思い出そうとしても、
変な瞬間の顔しか思い浮かびません。
冷静に思い出すと
長男Kなどは、オートバイ好きで笑顔の柔らかい
どちらかと言えばナイスガイだったはずですが
昔の下町はまだ親を立てて
親の印象に従う美風が残っていたのでしょう。
我が家にしたって、
父親は”仏のJさん”の異名がありましたが、
実は帝国陸軍でたたき上げの軍曹だったほどの
凶暴な内面を持ち合わせており、
長男である私も、同じ印象と同じ内面を
見事に引き継いでいる気がしてます