言えないよ

鳴かぬ蛍が身を焦がす
(なかぬほたるがみをこがす)

好いた惚れたとあからさまに言う人より、
口に出して言わない人の方が
心の中では深く思っているというたとえ。

都都逸に
「恋し恋しと鳴く蝉よりも、鳴かぬ蛍が身を焦がす」
というのがあるそうです。
『源氏物語』蛍巻にも
「声はせで身をのみ焦がす蛍こそいふよりまさる思ひなるらめ」
なんてありますし、蛍は昔から
じっと耐え忍ぶ女性の象徴だったのかも知れません。

もっとも、私は勝手に女性を想像しましたが
じっと耐えている男性だったのかもしれず、
そうなると、あまりロマンチックというよりも
乳離れしない、いじけたとっちゃん坊やが思い浮かび、
私の男女平等感はこの程度かと思い知るのでした。